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【自主性・主体性ある会社・組織・チームの作り方】 第2回 ティール組織であればうまくいくのか?

この記事では、中小企業(特に成長を目指すベンチャー企業)として、マネジメント・組織作りをどのように行っていくべきなのか、私の実体験と実践内容をもとに考えていきたいと思います。

さて、前回(第1回 マネジメントをどう考えるのか?)でアナウンスしたとおり、今回は昨今流行りの「ティール組織」という側面から会社・組織・チーム作りを考えます。

なお、本稿では書籍にあるようなティール組織を語るつもりも解説する気もありません。
私はビジネス書が大好きですが、「ティール組織」(フレデリック・ラルー著・英治出版)の書籍を最後まで読んだことはありません(途中で挫折しました)し、関連する書籍などもいくつか読みましたが、率直な感想は「経営者が書いた内容ではない」です。

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私(弊社)は「ティール組織」が出版される前から、似たような組織作りを試行してきましたので、あえて言うなら「ティールっぽい組織」なのかもしれませんが、書籍からは一部の考え方しか取り入れていません。

あくまでも弊社の組織論を、多くの方に関心が高い「ティール組織」と比べた方が理解しやすいというのが今回の主旨です。


■在宅勤務・テレワークが進むとなぜ不安になるのか?

はや1年前になりますが、コロナショックによって急速に在宅勤務・テレワークが進んだ結果、経営者・管理職のなかには、「部下がサボらないか不安・・・」という声が多く聞かれました。
部下が(オフィスで)目の前に居て、仕事をしている姿を見ないと不安なのでしょう。

在宅勤務・テレワークが進むことで、部下の仕事ぶりが不安になる会社は、管理型の典型でしょう。
マネジメントが、社員を「管理」「コントロール」することだと考えれば、管理・コントロールしにくい在宅勤務で不安になる気持ちも理解できます。

本稿のタイトルである「自主性・主体性ある会社・組織・チーム」とは、上司が管理・コントロールしなくても各社員が「自走」「自律」している状態を指しますので、弊社では在宅勤務・テレワークに切り替わったところで、「サボっているのではないか?」という不安は全くありません。

もともとコロナショックのだいぶ前から私(社長)は、社内で予定がなければ東京オフィスに出社をしないスタイルを通してきましたし、那覇のオフィスに至っては1ヵ月に2日間しか行かないでマネジメントしてきました(コロナ禍では、那覇のオフィスに行く機会はさらに減りました)。

これは根本的に、社員をいくら管理・指示しても思い通りに動かない・動くわけがない、さらには管理をすればするほど、社員たちの自主性・主体性が失われていくことから、経営者がいかに管理・コントロールしない会社を作れるかが大事になります。

この辺りの根本的な考え方は、かなりティール組織に近いのかと思います。


■性善説か?性悪説か??

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会社を経営・運営するにあたり、よくある議論として「性善説に立つべきか?」「性悪説に立つべきか?」があります。

性悪説に立つと、いかに社員・部下を管理し、ルール(さらには罰則)を設けるかに注力しますが、全従業員が自主性・主体性を発揮し、会社全体として生み出す価値を最大化するには、性善説に立って経営しなければムリだと考えるべきです。

一方で、ここが現実的に難しいところなのですが、従業員の不正など当然に許されることではありませんし、不正とまで言わなくても、明らかなルール違反については厳しく対処する必要があることから、性悪説を完全に排除することもできません。

弊社では、社内のルール・罰則を極力設けないようにしています。
いわば、従業員を子供として扱うのではなく、大人と捉えているわけです。
性善説に立って経営しているという意味では、ティール組織なのでしょう。

性善説で経営するにあたって大事なことは大きく2つあり、1つは会社の「目的・理念・行動指針などを共有すること」、そしてもう1つは「徹底した情報共有を行うこと」です。

前者については、次回以降の記事で取り上げさせていただきます。


■自浄作用が働く組織

後者の「徹底した情報共有を行う」とは、(一部の個人情報を除く)すべての社内情報を公開、見たければ誰でも見れる環境にすることです。

例えば、社内の出張旅費(交通費・宿泊費など)ですが、社内で規程・ルールを作り、それを守らせることが一般的でしょう。

一方で弊社ですが、出張旅費に関して明確な基準・金額設定をしていません。
出張する社員が自ら移動(新幹線・飛行機など)や宿泊先の手配をしても、その全ての情報(時間・場所のみならず金額など)が公開・共有されていますので、交通費等が高額である、立寄り先などがおかしいなどがあれば、誰か気付いて指摘する(はず)という意味で、性善説に立っています。

これは言葉を変えれば、【衆人環視】にすることにより、【自浄作用が働く】社内環境にしているということです。

弊社では情報共有される内容に関して聖域を設けておらず、業務に関わる分野でいうと、すべてのメールが全員に共有、スケジュール・予定なども全て開示されています。

さらには、

・決算書/月次の試算表
・取締役を含めて全従業員の給与
・交際費などの領収書も画像で開示

など、ガラス張り経営を実践しています。

ティール組織でもよく議論されますが、情報共有をいかにするか、ここが大きな分岐点になります。

経営者はよく、「うちの社員は当事者意識がない」と言いますが、情報共有されてもいないのに、当事者意識を持てという方がムリでしょう。
全従業員が、知りたければ知ることができるという環境を整えてはじめて、当事者意識の議論をすべきです。


■情報共有できないのは社長にやましい事・気持ちがあるから

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ほとんどの中小企業は、決算書などを従業員に共有していないどころか、内情をいかに隠すかに腐心してる経営者も多いはずです。

実質的な私有車を会社で保有し、家族との飲食代も交際費で経費計上、さらには働いてもいない親族を取締役にして役員報酬を払っているような会社で、社員に自主性・主体性を求める方がムリです。

また、自分の役員報酬額を開示したくないのは、社長自身が役員報酬以上に役立っている・会社に貢献している自信がないのでしょう。

つまり、社内で情報共有ができないのは、社長にやましい事・気持ちがあるからであって、そのせいで社員の自主性・主体性が生まれる環境を作れないだけなのです。

上場企業はもともと、決算情報などを開示する義務がありますから、中小企業に比べれば透明性が高いとは思いますが、それでもガラス張り経営とは呼べない会社がほとんどかと思います。

有名企業でガラス張り経営を実践している会社としてGMOが挙げられます。
こちらの記事も併せて参考にしてください。

GMO 熊谷正寿氏「給与の公開直後は大混乱も、今の私にはストレスがない」


■チームは作っても部署はない

これは小規模な会社・従業員数が少ないからできることかと思っていますが、弊社には部署がありません。

仕事・業務の役割によってチームは存在しますが、そのチーム編成も都度見直し、メンバーの入替・変更をしています。

過去には何度か部署を作ったことがありますが、全て失敗してきました。
原因はどの会社にもあるセクショナリズムです。
部署単位の部分最適を追求し、誰も全体最適を考えようともしない結果となりました。
これはティール組織の要件である「全体性」が損なわれたのだと理解しています。

会社組織をチームスポーツとして捉えると、

各社員=自立(自律)したプロスポーツ選手

でなければならない以上に、目指すのはチームとしての勝利ですから、

会社全体=チーム力・総合力

でなければなりません。
これを実現するためには、業務上の役割分担はありながらも、社内でリソース不足の仕事・緊急性の高いタスクなどが生じた場合、誰かが自然にフォローする・補い合う体制が構築する必要があります。

「私はその担当ではありません」(ので手伝いません)を排除するため、チームは作っても部署は作らないことが最もシンプルな方法です。


■最後に・・・

今回は、従業員の自主性・主体性を促すうえで必要となる「情報共有」「セクショナリズムの排除」などを考察してきました。

ティール組織は現実的ではない、などの声もよく聞かれるのですが、弊社ではかなり当たり前に運用・経営ができています。

ただ、弊社のようなティールっぽい会社にはフィットしない社員も数多くいることは間違いありません。

次回は、自主性・主体性あふれる会社にするために、(社内)カルチャー・文化の重要性について解説します。


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