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【どのように値上げするか?】プライシング(値決め)のマーケティング|PROVISIT

「値上げをすれば利益は出る・上がる」そう思いながらも、値上げに踏み切れない経営者がほとんどでしょう。
一方で、「うちの商品・サービスは良いものだ」「他社よりも良いモノを提供している」とは言いながらも、なぜ値上げできないのでしょうか?

ここでは、マーケティング的に考えたプライシング(値決め・価格決定)という非常に難しい課題について考えてみますが、今回は【どのように値上げするか?】がテーマです。

なお、同じプライシングの論点について、「値下げ」「適正価格」については

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で解説しましたので、ぜひこちらもお読みください。


■砂漠で水を売る

ペットボトルの水1本は、コンビニや自販機では@100円で買うことができます。
しかし、スポーツ施設などでは、1本@200円で販売されているところもあります。
同じペットボトルの水にもかかわらず、です。

マーケティングの世界ではよく「砂漠で水を売る」という表現を使いますが、販売場所や用途を変えれば、販売価格を上げることをうまく表現しています。
砂漠でペットボトルの水を売れば、1万円でも飛ぶように売れるかもしれません。

旅行に行った観光地で買うお土産は、冷静に考えればどう考えても高い値付けになっています。
それでも、観光客は喜んで割高なお土産を買うわけです。

同じように、出張客も空港や新幹線の駅内などで高額のお土産を、あたかも当然かのように購入しています。

私もよくあるのですが、家族や友人などの祝いにプレゼントを探す場合、最安値を探すわけではありませんよね。
せっかくのプレゼントですから、良いモノであればそれなりの値段であっても購入しようと思うはずです。
贈答品などは、むしろ安ければ買わない(売れない)でしょう。

このように、用途を「お土産」や「プレゼント」にするだけで、同じ商品を値上げして販売することが可能になるわけです。


■緊急性で売る

自宅のポストによく「水詰まり直します!」というマグネットが入っています。
正直、私は「水詰まりなんて経験したことないし、そんなに需要があるのかな?」と思っていたわけですが・・・ある時、子供がいたずら?で、洗面所の流し口に小さなおもちゃを入れてしまったことがあり、水が流れなくなったことがありました。

当然ながら、普段意識もしなかった、冷蔵庫に貼ってあったマグネットのフリーダイヤルに急いで電話!至急対応してもらい、難を免れました。

修理代金(正確には、水道管に詰まったおもちゃを取り出す料金)は12,000円でしたが、これが高いかどうかは検証していません。
その時の私(の家族)にとっては、洗面所が使えないことが大問題だったからです。

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私は経験ありませんが、一人暮らしなどで自宅の鍵をなくした場合、家の鍵を開けてくれるサービスもあります。
この場合、鍵のシリンダー交換まで必要になるようなので、けっこうな費用になると聞いたことがありますが、これも同じで【緊急性】があることをウリにしていますので、競合他社と値段を比較してから依頼する人(顧客)はいないはずです。

同じ商品・サービスを販売する場合でも、顧客の急なニーズに対応できるように打ち出せば、その販売価格は高く設定することができます。


■カテゴリーをズラす

もう10年ほど前になりますが、有名な出版コンサルタントが、本屋でどこまで高い本が売れるのか、検証してみたという記事を見かけました。
その書籍の内容は「通販を成功させるノウハウ」で、価格は3万円だったと記憶していますが、結果「そこそこしか売れなかった」ということでした。

私もビジネス書の著者で、かつ本が大好きなので、よく本屋に行くのですが、ビジネス書は一般的に@1,500円前後で販売されており、内容が良いからといって高い値付けをすることは難しいとされています。

書籍の場合、ページ数によって価格が決まる、つまり、ページ数が多く、書籍自体が物理的に太ければ(内容に関係なく)高いという構造(商習慣)になっています。

しかし、これも別観点から考えるとおかしくて、「売上が確実に100万円アップする成功法則」というセミナーを5万円で開催すれば、けっこうな人数を集客できそうです。

セミナーでなくても構いません。一時期流行りましたが、同内容を「情報商材」としてPDFで販売すれば、それこそ5万円でも相当数が売れるはずです。

私がよく知る有名な税理士は、「節税」ノウハウをまとめたPDFを5万円で販売し、当時はバカ売れしていましたから、上記はあながち間違っていないはずです。

このように、書籍というカテゴリーに分類されると、その競合が多いことから値付けの範囲はかなり限定されてしまいますが、同じ内容をセミナーやPDFにすれば値上げできるというわけです。
書籍と違って、PDFなどデータの方が原価がかからないにもかかわらず、です。


■弊社で作成・販売している専門書の事例

弊社は税理士・会計事務所という専門家向けに、セミナー開催・DVD販売など情報発信をしていますが、商品の1つとして難しいテーマを解説した専門書があります。

一般的に専門書も、書籍として本屋やAmazonに流通させるわけですが、こうすると上述したように、どうしても値付けを安くしなければならないことから、弊社では自社販売のみで「書籍+PDF(検索可能)」とし、かなり高額な設定をしています。

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ビジネス書などと相違し、専門書の場合は辞書のように「調べる」用途で使用されることが多いため、書籍であればできない「データ検索できる」ということをウリにしているわけです。

もちろん、書籍というモノも送付しますので、頭から読むこともできますし、調べたいキーワードがあればPDFで検索もできる、という二段構えにしています。

このように、書籍というカテゴリーからあえてズラすことで、同内容の商品・サービスを高値で販売することが可能なのです。


■サブスクでの値上げ方法

私は熱狂的なAmazonユーザーですが、Amazonのプライム会員料金は2年ほど前に、月額料金で@100円、年会費で@1,000円値上げされました。
海外のAmazonプライム会員料金は、値上げ頻度・値上げ率がもっと高いようです。


弊社ではいくつかのサブスク(月額課金)のサービスを展開していますが、その1つとして税理士・会計事務所向けの「KACHIEL税務アカデミー」があります。

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このサービスはちょうど10年前に開始したのですが、この間に月額料金を

開始時    6千円/月

値上げ①   9千円/月

値上げ②   1万円/月

値上げ③ 1.5万円/月

と3回値上げしています。

月額料金を値上げする最も簡単な方法は「サービスレベルを上げる」ことです。
これはAmazonプライムも同じで、以前はなかったプライムVideoやmusicなど、会費に含まれるサービス内容が拡充されていることが値上げに正当性をもたせています。

弊社でも、今まで3つしかなかった会員特典やサービス内容を、5つに増やすなど、月額料金を上げることができる根拠を明示しています。

ただ、月額料金を値上げしたい「隠れた意図」は別にあります。
それは、サブスクサービスへの入会に迷っている顧客を「刈り取る」ことにあります。

ポイント① 既存会員の退会を防ぎ、継続率を高める

弊社では月額料金を値上げする場合であっても、既存会員には加入時の月額料金をそのまま維持しています。
これはAmazonプライムのやり方とは大きく相違するポイントです。

例えば、月額1万円の時に加入しておけば、サービス自体が月額1.5万円に値上がりしても、そのお客様はずっと月額1万円のまま条件を維持することができます。

サブスクサービスで一斉値上げをすると、既存会員が退会してしまうリスクが高いわけですが、このようないわば二重価格を維持することで、既存会員は(現状より)安い会費で、受ける便益だけが上がっているわけで、退会率は低いままを維持することができるわけです。

ポイント② 値上げによる見込み顧客の刈り取り

これを前提として、月額料金を「来月から値上げしますよ」という告知をすると、来月以降に入会すれば高い月額料金になるわけですから、今のうちに入会した方がいいという促進になるわけです。


■最後に・・・

ここまで3回に分けて「プライシング(値決め)のマーケティング」について解説してきました。

価格競争力がないからという理由で値下げせざるを得ないというのは明らかに経営判断の誤りです。同じで値下げであっても、より売れる手法に切り替えることだって可能ですし、適正価格での販売、さらには値上げですら工夫次第で売上・利益に直結するわけです。

ぜひ、プライシングでマーケティングを実践してください。



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